お知らせ
2025.01.15
お知らせ
サプリメントの使用は注意が必要!
国立スポーツ科学センターによる調査結果では、日本のオリンピック代表選手および候補選手の90%以上がサプリメントを摂取し、年々増加していると報告しました(吉野昌恵, Journal of High Performance Sport, 6, 62-73, 2020)。
多くの選手はサプリメントに禁止物質が含まれていないかを調べた上で服用しています。しかしながら、サプリメントでは医薬品と異なり、成分の表示義務がないものは明記されていないこともあります。また近年、サプリメントのコンタミネーション(汚染)によるドーピング違反の事例が報告され、大きな問題になっています。このコンタミネーションの原因として、医薬品と同じ製造ラインを使用して製造される際に使用した製造釜の洗浄が不十分であること、原材料の保管場所の管理が不十分であること等が挙げられます。日本スポーツ協会(JSPO)がまとめたサプリメント利用・活用コンセンサス2024において、栄養補助サプリメント・パフォーマンスサプリメントの錠剤、カプセル状、粉末・顆粒状、液体状(ショット状・小瓶タイプ)の形状のものにはコンタミネーションの危険があるため、、注意が必要と記載されています。

成分表示の有無にかかわらず、検体から禁止物質が検出されれば、最終的には選手の自己責任となります。また、漢方薬を構成する生薬にはそれぞれたくさんの成分が含まれており、例えば興奮作用を含むもの、たんぱく同化作用を含むものがあります。さらに、漢方薬は名前が同じでも製造販売会社や原料の産地、さらには収穫時期が異なると成分が違うことがあり、漢方薬の取り扱いは非常に難しいです。そのような観点から、JADAは以前から「一般薬・サプリメントの使用について」という文書を出して注意喚起しています(https://www.playtruejapan.org/downloads/release/20110721/Attention_Supplements.pdf)。
サプリメントはドーピング禁止物質ではありません。しかし、サプリメントが原因と言われるアンチ・ドーピングのルール違反が報告されている以上、アスリートがサプリメントを使用する際は、事前に栄養士や薬剤師に相談する等の十分な対策を行ったうえでご利用ください。