お知らせ
2025.01.15
お知らせ
バスケットボール競技におけるドーピング検査
現在、バスケットボール競技においては、競技会検査として図1に示した大会にて、2023年は111件のドーピング検査が実施されています。
対象になるのは、ドーピング検査が実施される試合に出場する選手全員です。試合後に、検査対象となったことを通告された選手はドーピング検査(血液検査、尿検査)を行います。国民体育大会(国体)のチームに帯同するスポーツファーマシストの一人に話を聞きますと、参加前の選手を対象とした健康診断の際に、内服している薬やサプリメントをチェックする機会があったそうですが、ドーピング対象の成分を含んだ市販の風邪薬を所持しているケースがあり、あまりアンチ・ドーピングを意識していない選手がいるようです。

ほかには、競技会外検査があり、2023年は184件実施されています。この競技会外検査とは、競技会以外の時、例えば、日頃のトレーニングをしている時に、検査員が対象者のところに訪れ、実施される検査のことです。いつ実施されるか、事前予告はありません。対象者は国際競技連盟や日本ドーピング機構に登録されたトップレベルアスリートのみになります。
医師が処方する薬の中にも、禁止物質を含むものがあります。選手は自分がドーピング検査を受ける可能性があることを医師に伝える必要性があるのと同時に、処方された薬に禁止物質が含まれていないことを自分で確認する必要があります。また現時点で、医学教育の中にアンチ・ドーピングに関する内容は含まれていません。したがって医師全員がアンチ・ドーピングに関して詳しい知識を有している訳ではありません。そこで、その知識を有するスポーツドクター(医師)や、薬の専門知識を持つスポーツファーマシスト(薬剤師)(図2)が存在します。

他の特集で紹介したGlobal DROというサイトは便利ですが、それで満足せず、現在服用している薬やサプリメントを持参して、ダブルチェック目的に、スポーツドクターやスポーツファーマシストに依頼する選手が少しでも多くなって欲しいと思います。